ベーグル考3

最強力粉を購入し、噛み応えのある好みのベーグルは粉の配合をどんな具合にしたらいいのかあれこれ考えつつも未だ試作に至っていない。ここ数日は準強力粉のみでパンを焼いていてもっちり感はないが歯切れのよい、家族が好む仕上がりになっている。

 

以前、ベーグルはジューイッシュのパンであると書いたが、検索してみたところ、発症秘話についてはこちらもご多分にもれず所説あるようだ。

17世紀のオーストリア・ウィーン説、ゆでるパンの記録がある14世紀のポーランド説、そしてもっと古いものは9世紀のプロイセン説。こちらは焼いたパンが禁止であった為、茹でた(そのあとトーストして食べたとか)ものが起源とするものもある。また、名前についても「茹でる」を意味するポーランド語から、その形から「あぶみ」を意味するいイディッシュ語からBagelになったと言われている。それぞれの歴史・文化を調べると面白そうではあるが、最強力粉を使ってベーグルを焼く使命感に燃えているのでここでは割愛する。

 

 

ベーグルの作業工程はほかの一般的なパンと少し違って、ミキシングの後に一次発酵をとらず、分割・成形をしてベンチタイムをとるレシピが多い。

理由は、膨らませることを目的としないから。一次発酵で生地中のイーストからアルコールや炭酸ガスが出て、ふかふかのボリュームを出さず意図的に詰まった生地を作る。成形後には10-15分ほど休ませるが、その後の茹でる→焼成は間髪を入れずに行う。表面がしわにならないためだとか。

 

では長時間発酵させてしまってはダメなのかと疑問がわいた。あっさりと都合よく、「冷蔵庫で長時間一次発酵をとった」生地と「二次発酵のみを行う」生地について比較している論文が見つかった。実験は、一次発酵を冷蔵庫で14時間行う群と一次発酵をとらない群に分け、その他の工程はすべて同様に作成して行われ、形状測定、色差測定、水分測定、破断測定、アミノ酸分析、官能評価から考察および結論を導き出していた。

 結果は重量の値に変化はなかったが、体積や高さは低温長時間発酵の方が小さく、焼き色は薄く、水分量も少なくなったそうだ。そしてアミノ酸も低値となり、主観的な味の評価では有意差が出なかった為、一次発酵で低温長時間とらずも品質は同程度だと結んでいる。

 

 

台湾産マンゴーの酵母は失敗に終わったが、懲りずに国産マンゴーでリベンジしている。香り控えめの元種が冷蔵庫でスタンバイしているのでこちらを使用して冷蔵庫発酵のベーグルを作製してみたいが、ドライイーストでのトライを先行させるべきだろうか。

 

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ずいぶんひっぱるねー