パンは食事の主役になれないのか
今月は未だ2週間しかたっていないが外食の機会が多く、いくつかのレストランでパンを頂いている。
自家製パン、自家製天然酵母パンをうたっているお店ばかりでどちらも美味しいが、レストランの評判でパンが大きく評価されているお店をあまり知らない。
昨夜は近所のダイナーでハンバーガーを頂いた。
こちらはバンズもミートパティ―、他の具材もすべてボリュームがあり、食べきれないこともあるのでほぼ毎回半分に切ってもらっている。そして袋を頂いて、ダラダラこぼれてしまう”汁”を受け止めてもらいながら噛みしめる。
ハンバーガーにおけるパンの役割比率は他の食事、例えばフレンチのコース料理に比べて高いと思う。視覚的にはハンバーガーの構成比率の50%くらい占めているのではないだろか。
ハンバーガーを食べる時、パンの部分だけを味わったことは無かったが、昨夜はあえて試してみた。
写真では分かりにくいが、具材を挟まなくてもかなり高さのある大きなバンズだ。
フワフワで、バターと砂糖を多めに使っていると思われる。ブリオッシュに近いと言えば大げさかもしれないが、コッペパンからは遠いし、ただ甘みのあるパンでもない。
がっちりと肉を掴んで、ある程度の”汁”も受け止めてくれるパンだが、歯切れがよく、パンだけ食べても十分美味しい。
主役ではないけれど、このバンズでなかったらここちらのハンバーガーはそこまで人気がでなかったかもしれないとまで思ってしまった。もちろん食べ応えのある肉の部分はとてもおいしい。でもそれを支えているは上下のバンズで、肉汁もしっかり受け止めている。
ダイナーを名乗る店で、メニューにはハンバーガーだけでなく、サンドイッチやブリトー、スープもある。隣の席でサンドイッチを注文した人がいた。どんなパンを使っているのだろうと見てみたら、白い食パンのサンドイッチだった。見た目とは裏腹にリッチな生地を使っているのかもしれないが、パンが際立って見えるような作りではなかった。やはり具を味わうための名脇役的な存在か。
レストランではメインの食事やデザートに満足感を求めるのが民意なのだろうか。お店の方も、そちらを評価された方が本意なのだろうか。
外食時に、胃袋の隙間を最後まで確保するために食事の最初に出されるパンは控えめに頂くようにしている。
そのくせ、パンがもっと輝かしい称賛を得られないかと考えてしまった。