レーズン酵母起こし失敗からおさらい ≪酵母増殖のメカニズム≫3

レーズン酵母起こしに失敗したと落胆しながら原因を探っていたが、腐敗臭ではなく、強いアルコール臭がするのでどうしたものかと思ったが、カビの菌が増殖しているようではなかった。とっても美味しいエキスだったからだ。

何度も経験しているが、カビの生成がすすんだエキスや元種は独特の悪臭を放ち、とても舐められたものではない。しかし世の中、好奇心旺盛の方は多く、一様に「舐めるとピリッとする」とその経験を語っている。

 

アルコール臭がきつかったが、それはまさに酵母菌の生命活動の証ととらえ、オリも出来ていたので元種作りに移行した。オリは酵母菌の集合体だからだ。

 

元種の培養を少しずつ3回行い、100g出来上がった。準強力粉や全粒粉の方が膨らむので今回は1回目と2回目は全粒粉の春よ恋で行った。

 

ここで「酵母が増殖する」現象について考えてみたい。

自家製天然酵母はありとあらゆるものからできる。果物やドライフルーツは一般的だが、花や紅茶で酵母を起こし、パンを焼く事も出来るらしい。

酵母の生育に必要なのは水、糖分と他にアミノ酸やビタミン、ミネラルだ。

水に沈めた果物などに付着している酵母は、グルコースにまで分解された糖分を分解して生きていくために必要なエネルギーを生成する。過程を飛ばしすぎているが、酵母自体が目に見えないので、酵素による糖の分解を時系列と共に並べ立てても、違いが判らない。

一つの菌から芽が出て大きく育ち、やがて分かれて二つになるまで好環境であれば1-2時間または2-3時間と記載されているものが多い。

2時間ごとに数が倍に増えると考えるとわかりやすいのだろうか。だから最初は何の変化もないように見えるのだろう。

一日に最低一回はふたを開けてビンの中の酵母に酸素を与える

という作業が酵母起こしにあるが、これは酵母菌の増殖のためだと書いてあるサイトを見た。そして酸素が多ければ増殖が速いとも。

しかし、酵母菌は酸素が無くても呼吸をしてエネルギーを生み出せるし、その時にアルコールも生成される。これが他の菌を弱らせてて、強い酵母の集合体ができるとの事だ。

 

 色々調べたが、

ビンの中の酸素を使い切ると初めて酸素なし呼吸を始める

酸素なし呼吸と酸素あり呼吸が同時に行われていることもある

酸素なし呼吸アルコール発酵になると酵母菌の数は増えない

等色々出てくるし、今はYouTubeでも酵母菌の増殖について説明している高校生物のチャンネルが沢山存在する。

 

ここまで調べるのに何日もかかってしまったが、その間にレーズンエキスの中ではその匂いから、アルコールが生成され、また酵母も増えたようだ。それから元気な元種になり、美味しいクロワッサンになった。

 

酵母エキス完成の見極めは難しい。泡立ち始めるまでの時間や強弱は素材や周りの温度によっても変わる。

夏にカビが発生したこともあれば、冬になかなか二酸化炭素を確認できないこともある。また使う素材によって砂糖を加えることがあるが、糖度を測っているわけではない。

だから出来上がりは「何となく」それっぽい匂いと沈殿物の発生等の見た目に頼るところが大きい。それで元種を作る。ここで何時間待ってボリュームに変化が無ければパン生地に入れないで破棄すると決めている。

 

これで良いのかわからない。もしかして未だ使える酵母を捨てているのかもしれないが、他の材料を無駄にしたくないので多分これからもそうするのだろう。

 

 

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調べても分からない事が多い〜