ベーグル考1

会社では仕事中、NHKのテレビ番組を消音にして流している。数日前の午前中10時過ぎだったか、シリーズになっている(と思われた)パンの番組でベーグルを特集していた。

お店としては会社から近いのに未だ往訪に至らないOZO BAGEL、以前は近所でよく買いに行ったkepo bagelsが紹介されていた。

ベーグルとの出会いはかれこれ30年以上前になる。実家にホームステイをしていたアメリカ人Kathyがある時、「朝ごはんにベーグルを食べたい」と言った。

当時は街のパン屋さんにドーナツ以外真ん中に穴のあいたパンは売っていなかったし、bagleと書いてベイゴーと発音されるジューイッシュのパンは見たことも聞いたこともなかった。

しかし、広尾のインターナショナルスーパーマーケット「ナショナル麻布」には3つ一袋で当時も売っていて、外国人が一度に何袋も買っている姿を目にした。確かプレーンが270円、セサミやシナモンレーズンなどが300円だったと思う。

Kathyは半分にスライスして焼かずにクリームチーズを思わず二度見するほどたっぷり盛って頬張ってた。私は始め、特に素晴らしくおいしいと思わなかった。普段はもう少し軽くて水分の抜けた感じのパンを食べていたから。しかし武骨な見た目とは裏腹に、高級だったクリームチーズと輸入品のジャムを派手に盛って食べるそれが新鮮で、やけに魅力的でオシャレな朝ごはんに思えた。

 

そして翌年、アメリカへ渡ってみるとベーグルはどこのスーパーでも見かける庶民の食べ物であると理解した。レジに並びながらもちろん何もつけずに頬張っている人を見かけたこともある。もちろん会計前だ。一つ数十円でかなり大きいベーグルだったと記憶している。ものすごくchewyで、なかなかみ切れない。これってパン?なんでこんな固いものにスモークサーモン乗せる?と何度も静かに疑問を投げかけたこともある。←渡米して初めの3か月は生き抜くために必要な質問が多すぎてベーグルのことは声に出せなかった。

ベーグル生地を焼く前に茹でることを知ったのはずっと後のことだ。

 

茹でることにより、 でんぷんが糊化し、オーブンで焼くことによって固化させる。それによってあのもちもち(時に顎がつかれるほどの)歯ごたえがうまれる。

 

初めてベーグルを食してから20年後、本場NYででオシャレでもなんでもないベーグルに食べ飽き、実は東京のように多種の美味しいパンが手に入るわけではない生活の中で、モントリオールでは「モントリオールスタイルベーグル」なるものが市民権を得ていると聞いた。

モントリオールはNYから北へ数時間。街並みが美しく、美味しい食べ物ガ多い。サイズもアメリカンではないので色々トライできて行くたび楽しい思い出が出来るところだ。国境での入国審査が常に長蛇の列で長く待たされることを除けば。

 

f:id:OPE:20190714150939j:plain

ベーグル成形?

 

 つづく